ランディングページを制作するときは、まず初めにどんなアクションをユーザーに期待するかを決め、ランディングページの成果として設定します。このユーザーに期待する行動やランディングページの成果のことをコンバージョン(Conversion/ CV)と呼びます。
コンバージョン(CV):ランディングページが成果目標としているユーザーの行動のこと
代表的なものには商品の購入やお問い合わせ、資料請求などがあります。
例えば、化粧品を販売するランディングページをつくるときは、コンバージョンを「化粧品の購入」に設定し、購入ボタンをランディングページ内に配置します。そして、この購入ボタンを押して化粧品を買ってもらえるように、コンテンツの内容を考えます。
今回はこのコンバージョン(以下、CVと呼びます)について、ランディングページ制作の基本となる考え方や設定例、設定のコツを解説したいと思います。
ランディングページのコンバージョンを増やすには離脱を少なくすることが重要
ランディングページのCVを増やすには、訪れたユーザーを離脱させないようにすることが重要です。
離脱とは、ランディングページを読まずにユーザーが離れてしまうことです。書かれている内容を読むのが面倒になったり、読んでいる途中で商品に興味を失ったりすると、ユーザーはそのページを閉じてしまいます。
ランディングページに訪れたユーザーの行動は、離脱するかCVするかの二つしかないので、離脱を少なくすることができれば、CVの数を増やすことができます。
※ここでは商品のCVに関係のない外部リンクを設定していない一般的なランディングページを想定しています。商品以外の情報でユーザーの興味を逸らすことなくCVまで一気に誘導するのが、商品販売を目的とするランディングページのセオリーです。>>関連記事:商品を売るならランディングページ。ホームページとの違いとは?
ランディングページに訪れたユーザーは離脱するかコンバージョンする
ランディングページから離脱する理由はユーザーによって様々ですが、「広告の3原則」という有名な考え方を用いれば、離脱するユーザーの心理を理解することができます。
「広告の3原則」とは、広告を見たユーザーは「読まない」「信じない」「行動しない」という3つの反応を示すというもの。ランディングページも広告の一種なので、広告をそのままランディングページに置き換えることが可能です。
つまり、ランディングページを見たユーザーは「読まない」「信じない」「行動しない」という3つの反応を示すと考えることができます。
広告の3原則:「読まない」「信じない」「行動しない」
この3つの心理を理解して、読んでもらえる、信じてもらえる、行動してもらえるように情報を配置することができれば、離脱をさせることなく商品の購入などのCVをしてもらえるようになります。>>関連記事:3NOTをふまえたランディングページ制作のコツ、基本構成のセオリーと失敗例
ランディングページに設定するコンバージョンの種類
ランディングページに設定されるCVには、商品の購入やお問い合わせ、資料請求など様々な種類があり、商品・サービスの特徴や販売戦略などをもとに最適なものが選ばれます。
実際のランディングページを参考に、CVの設定例をいくつか見てみましょう。
【コンバージョンの設定例1】商品やサービスの購入・申し込み
ネットショッピングが可能な商品に必ずといっていいほど採用されるのが、商品やサービスの購入や申し込みといったCVです。
ランディングページ内に購入ボタンを設置してユーザーの購買動機をうまく高めることができれば、その場ですぐに商品を買ってもらうことができます。
引用:https://www.drre.jp/lp_uruhana/index.html
ランディングページをショッピングサイトに誘導するために使っているケースもあります。この場合、CVボタンにはショッピングサイト内にある商品ページへのリンクが貼られていることが多いです。
引用:https://brain-sleep.zzz-land.com/ad/brainsleep_pillow/
【コンバージョンの設定例2】お問い合わせ、無料相談の予約
インターネットで購入できない、または高額な商品やサービスの場合、まずは見込み客との接点をつくることが重要になるため、問い合わせや無料相談・カウンセリングをCVに設定します。
実際に会って疑問や悩みに答えることでユーザーの不安を和らげることができるので、商品を買ってもらえる可能性が高くなります。また、ランディングページだと情報提供が一方通行になりがちですが、対面のコミュニケーションだとユーザーにとって本当に価値のある情報だけを提供することができるので、商品を効果的にアピールすることが可能になります。
引用:https://kireimo.jp/lp180724/
問い合わせを受け付ける場合は、お問い合わせフォームをランディングページ内に設置し、わざわざメールソフトを起動する手間をかけさせないことが重要です。
また「見積依頼」のような問い合わせの中でも重要度の高い、よく聞かれるものに関しては、表示を目立たせたり入力フォームを別でつくったりといった工夫が必要です。
引用:https://usen.com/portal/usen-ts/lp1/pc-f/
引用:https://hnavi.co.jp/lp/system2/
【コンバージョンの設定例3】無料セミナーや勉強会への参加
ユーザーにとって馴染みのない商品や実際に体験してみないと良さが分からない商品、ランディングページだけでは特徴やメリットを伝えるのが難しい商品などの場合、CVに商品の購入を設定してもあまり良い効果は望めません。
こういうケースでは、無料セミナーや勉強会を開催して申し込みや予約をCVとして設定し、商品の販売やセールスをセミナー会場やまた別の機会に行うようにすると、商品の購入を前向きに検討してもらう機会をつくることが可能になります。
引用:https://toushi-up.com/cfm/yg03.html
セミナーや勉強会は問い合わせや無料相談に比べて敷居が低いため、商品に興味をもっている見込み客との接点をより多くつくることができます。そこから対面のカウンセリングや相談にうまく誘導することができれば、見込み客の購買動機はぐっと高くなります。
引用:https://www.tosei-corporation.co.jp/coin-seminar/kansai/
【コンバージョンの設定例4】資料の請求・ダウンロード
ランディングページには見込み客が求めている情報を網羅的に掲載することが望ましいですが、あまりにも情報が多すぎるとユーザーの負担になり、離脱につながってしまいます。
また、ユーザーによって関心の度合いに差があるため、ランディングページには必要最小限の情報だけを掲載し、別途資料を用意するという方法がよくとられます。
資料の請求やダウンロードをCVに設定する際は、カウンセリングの予約やセミナーの申し込みも一緒にCVとして設定します。こうすることで、関心はあるけどまだ話を聞きに行くという段階ではないというユーザーに資料請求を促し、より深く商品のことを知ってもらうことができます。
引用:https://www.aviva.co.jp/avivapro_programming/
お役立ち情報をマニュアルやホワイトペーパーとしてまとめることで、見込み客の購買動機を高める方法もよくとられます。
引用:https://ssl.seishin.net/contents/lps1/
【コンバージョンの設定例5】無料会員登録、無料体験
ネット環境さえあれば楽しめるオンラインゲームや動画ストリーミングサービスなどの場合、CVに無料の会員登録や無料体験を設定することで、ランディングページで購買動機が高まったユーザーを他のサービスに流れないように囲い込むことができます。
そして実際にサービスの一部を無料で開放して体験してもらうことで、さらに購買動機を高めて有料の会員へとステージアップさせることが可能になります。
引用:https://www.dqx.jp/ad/trial/
引用:https://piccoma.com/ad/brand_002/index.html
この手法はBtoBビジネスでも用いられており、経営管理ソフトや業務支援ツールなどで無料トライアルをCVとして設定しているケースがたくさんあります。
引用:https://ak4.jp/ad/telework/
【コンバージョンの設定例6】利用のきっかけになるコンテンツ
ユーザーの購買動機を高める目的でコンテンツをつくり、それをランディングページのCVに設定するケースもあります。ランディングページだけでは商品の販売が難しいときに採用すると、商品の訴求力を高めることができます。
引用:https://www.air-closet.com/
商品を購入する、またはサービスを利用するきっかけとなるコンテンツをつくるには、一度商品やサービスから離れて、ユーザーがどんな悩みを抱えているか、どのようなコンテンツがあれば利用してみたいと思うかを考える必要があります。
そしてコンテンツの利用が商品の購入につながるように、内容を設計しなければなりません。
引用:https://careerindex.jp/promotion/tekishoku_b
ランディングページにコンバージョンを設定するときのコツ
ランディングページにCVを設定するときは、行動のハードルをなるべく下げるようにするのがポイントです。そのためには、これまで紹介してきた「商品の購入以外の選択肢」を一度しっかり検討してみる必要があります。
ランディングページだけで商品が売れれば言うことはないですが、衝動買いして失敗しても気にならないような低価格の消耗品でない限り、商品の購入には失敗して後悔するリスクが伴うので、そう簡単にはいきません。
心理的なハードルが低いお試し体験や資料請求などのCVを出来る限り用意して、商品に興味をもってくれているユーザーを取り逃がさないように工夫しましょう。