ランディングページにおけるコンバージョンレート(CVR)とは?その役割と基本的な使い方

ランディングページの良し悪しを評価する指標のひとつに、コンバージョンレート(Conversion Rate/ CVR)と呼ばれるものがあります。これはランディングページに訪問した人のうち何人がお問い合わせなどのコンバージョンに到達したかをパーセンテージで表したもの(割合)です。

コンバージョンレート(CVR):ランディングページに訪れた人のうちコンバージョンした人の割合(%)

※コンバージョン(Conversion/ CV):ランディングページが成果目標としているユーザーの行動のこと(例:資料請求、お問い合わせ等)。詳しくはこちら>>ランディングページにおけるコンバージョン(CV)とは?制作の基本となる考え方

例えば、ランディングページに訪れた1,000人のうち10人がコンバージョンした場合、コンバージョンレートは1%になります。※計算式:10人÷1,000人×100(%)=1%

この記事ではコンバージョンレート(以下、CVRと呼びます)について、その必要性や役割、基本的な使い方を解説したいと思います。

CVRの必要性とは?駄目なランディングページでもお問い合わせが増えるケース

パソコンを前に考え込む男性のイラスト

「おかげさまでランディングページから今月だけで10件も問い合わせが入りました!」

このように言って頂けるのは、ランディングページの制作をサポートしている身として大変嬉しいことです。

ですが、この反響を聞いただけでは手放しで喜べません。CVRを計算して確認してみないと、しっかり効果の出るランディングページになっているかどうかが本当のところ分からないからです。

問い合わせが増えているのに駄目なランディングページになっているなんてことがあるのか?と不思議に思われるかもしれませんが、実はそういうケースは割とよくあります。

ここを理解するとCVRの必要性や役割が分かり、ランディングページを適切に評価できるようになるので、図や例を用いて具体的に解説したいと思います。

CVRを確認する手順とCVRの平均値

次の図を見てください。これはユーザーが流入してからランディングページを読み、問い合わせをするまでを表したモデル図です。

ランディングページCVRモデル図

図でWEB広告から下に伸びている大きな矢印は、たくさんの人がランディングページに訪れたということ、そしてランディングページからCVに伸びている小さな矢印は、少ない人数(ここでは10人)がCVしたということを表しています。

ランディングページに訪問した人のうち大半は、問い合わせなどのコンバージョン(以下CV)に到達することなく離脱をしてしまうのが一般的です。

これからランディングページの良し悪しを評価するためにCVRを計算してみようと思いますが、このままでは情報が足りません(下図)。

ランディングページCVRモデル図

そこでWEB広告からランディングページに流入した人の数を調べてみます。すると、WEB広告から2,500人がランディングページに流入していたことが分かりました。

この場合、CVRを計算してみると、10÷2500×100=0.4(%)になります(下図)。

ランディングページCVRモデル図

さて、このCVR=0.4%という結果をどのように評価すべきでしょう。

一般的に、ランディングページのCVRの平均は1%ほどと言われています(※BtoBの場合)。つまり今回のようにWEB広告から2,500人がランディングページに流入した場合は、平均して25人はCVしてくれるものだということです。

ランディングページCVRモデル図

このことをふまえると、CVRが0.4%という結果はあまり喜べるものではないということが分かります。

ただし注意点として、CVRの平均は業界や業種、扱う商材やCVの種類によって異なるので、1%はあくまで目安でしかないことに留意する必要があります。また、WEB広告の打ち出し方もCVRに影響するため、CVRの結果だけをみて判断をすることが難しいケースもあります。

とはいえCVRが1%を切るのは現場の肌感覚から言っても低い結果ですので、よほどのことがない限り効果の乏しいランディングページだと言えると思います。

このように、仮に問い合わせが増えたとしてもCVRを確かめてみないと良いランディングページになっているかどうかは実は分かりません。

ランディングページの改善効果をCVRで測定する

WEBのデータ解析イメージ_イラスト

これまでに説明した通り、 CVRはランディングページの良し悪しを測る指標に使われますが、実はCVRが活躍するシーンがもう1つあります。

それはランディングページの改善を行う場合です。

ランディングページを改善したときのCVRの使い方

さきほどの例を用いて、ランディングページを改善したときのCVRの役割や使い方について解説したいと思います。

現状のランディングページでは、2,500人がWEB広告から流入して、10件のCV(問い合わせ)が上がっています。計測期間は1カ月です。

ランディングページCVRモデル図

このランディングページは効果があまり良くないので内容のリニューアルを実施し、1ヶ月という同じ期間でCVを25件まで増やすことが出来たとします(下図)。

ランディングページCVRモデル図

さてこのケースの場合、CV数が2.5倍に増えていますが、これはランディングページを改善したおかげなのでしょうか。

CVがここまで大きく改善すると、良いランディングページになっている気がしてしまいますが、CVRを計算してみないとリニューアルの効果は厳密には測れません。

そこでまずはWEB広告からランディングページへ流入した数を調べてみます(下図)。

ランディングページCVRモデル図

改善後のランディングページへの流入数を調べたところ、3,800人だということが分かりました。WEB広告からの流入が大きく増えています。

もしかしたらCV数が大きく増えたのは、WEB広告からの流入増が主な要因なのかもしれません。

次にCVRを計算してみます。

ランディングページCVRモデル図

改善後のランディングページのCVRは0.65%でした。ランディングページの効果が0.25%改善していることが分かります。※CVRの計算:25人÷3,800人×100=約0.65(%)

ここまでをまとめると、リニューアルによりランディングページの効果は改善しましたが、CV数が2.5倍に大きく増えたのは、主にWEB広告からの流入が大きく増えたからだということが分かりました。

ランディングページにはまだまだ改善の余地がありそうです。

CVRの高いランディングページをつくろう

ランディングページを作成しているところ_イラスト

ランディングページはホームページとは違い、問い合わせや商品の購入といったCVを生み出すことを主な目的としています。

CVの数を増やすには、ランディングページに流入したユーザーを離脱させることなく、CVへと誘導しなければなりません。

このユーザーをCVへ誘導する効率の度合い(反応率)を表すのがCVRです。

同じ流入数であれば、CVRが高ければ高いほどCVの数は大きくなります。

例)

  • 流入数1,000人 → CVR0.5%の場合、CV数は5人
  • 流入数1,000人 → CVR1%の場合、CV数は10人
  • 流入数1,000人 → CVR2%の場合、CV数は20人

CVRが上がることでCVの数が増える仕組み

CVRとCVの関係図

CVRを高めるには、まず運用しているランディングページのCVRを把握することが重要です。

そして、業界平均と比較したり、改善を施してCVRの変化を測定したりしながら、コンテンツの内容やデザインをブラッシュアップしていきます。

ランディングページの一部を変えたA案とB案を用意して、試験的に交互に運用してその結果を測定するABテストを実施したり、ランディングページの制作を外注してCVRが改善するかどうかを試したりするのも効果的です。

CVRが高くなれば、少ない流入数でもCVが安定的に確保できるため、流入数を増やすためのWEB広告の予算を少なくすることが可能です。逆にCVRが低いランディングページは、水をザルですくうようなものなので、WEB広告にお金をかけて流入数を増やす必要があり、多大なコストがかかります。

関連記事 >>売上やCVに直結するランディングページの効果的な作り方

ランディングページの効果を評価し、より良く改善していくために重要なCVRという指標を理解して使いこなせるようにしていきましょう。

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