ランディングページを作成する際、ユーザーの心理を理解したうえで離脱させないように内容をつくりこむ必要があります。
今回は、第一回の続き「ボディコピー」のつくり方から、詳しく解説していきたいと思います。
※まだ第一回を読んでいない方はこちら >>外さないランディングページの構成、キャッチコピーの作り方とは?
ランディングページにおける外さないボディコピーの作り方
ファーストビューで訪問者の注意を引き、キャッチコピーやリードコピーで興味を持ってもらうことができたら、いよいよ本題であるサービスの紹介に入ります。
ファーストビューの内容がうまく刺さっていれば、この時点でユーザーは「読んでみようかな」という心理状態になっているはずです。ただし「読む」といっても、じっくり時間をかけて読むというより、内容をざっとチェックしていくという形になることを念頭に置いておきましょう。
人は広告を好んで読むわけではなく、自分に関係する内容や自分にとってメリットがあると思える情報だけを取り入れる傾向にあるからです。
あらためてここで、第一回で解説したランディングページに訪問したユーザーの心理と、必要になるコンテンツ要素、ランディングページの基本構成について図でおさらいしておきます。
構成づくりで失敗しないためには、3つの離脱パターン(3NOT)を押さえておくことが重要
ランディングページの基本構成(全体像)
ボディコピーの目的は商品の良さやメリットを信じてもらうこと
どんなに良いサービスや商品も、相手に響くようにメッセージを発信しないと、その良さは伝わりません。一見当たり前のように思えることですが、これができていないランディングページは意外に多いようです。
これからボディコピーを読もうとしている段階にいるユーザーは、興味を示しつつも、商品のことを具体的に検討する段階にないので、慎重かつ丁寧に情報を発信する必要があります。
ユーザーの気持ちに寄り添い、共感を示し、商品の良さやメリットを伝え、そして信じてもらえるように情報を配置する。そうやって初めて、膨大にある競合サービスや類似商品のなかから、あなたの会社の商品を選んでもらうことができます。
ボディコピーはユーザーとの接点作りから始めよう
ボディーコピーの冒頭ではまず、商品に対して興味をもちかけているユーザーの気持ちを、もっと商品のほうに近づけるために、ユーザーとの接点をつくるところから始めます。
いきなり「こんな商品どうですか?」と言っても、売り込み要素が全面に出てしまうので、警戒心を無駄にあおってしまいます。そこで、「こんな悩みを普段抱えていませんか?」「こういうことでお困りではないですか?」といった具合に、ユーザーの気持ちを理解または共感する姿勢を示すところから始めます。
引用:https://www.kururi.co/teiki/
読み手がこちらの投げかけに対して興味をもってくれたら、そこで初めて商品についてふれます。そうすることで、商品を売り込まれているという印象を与えることなく、自然に商品について知ってもらうことが可能になります。
悩みや問題を提示してユーザーとの接点をつくり、その解決策として商品をアピールする。このプロセスをしっかり踏むことが大切です。
ユーザーと接点をつくる共感コンテンツのアプローチ例
- ダイエットが長続きしない?
→○○ドリンクなら1食を置き換えるだけ! - 相続で悩んでいませんか?
→プロが無料で相談にのります - 車が欲しいけど維持費が高い…
→それならカーシェアはどうでしょう?
ユーザーが抱える悩みや問題を提示するときは、実際に購入した顧客の声やアンケートを参考にすると効果的です。予想や想像に頼ってしまうと的外れになってしまうことがあるので、注意してください。
サービスや商品の紹介にはベネフィットを盛り込むことが大切
ユーザーとの接点づくりで、サービスや商品を紹介する準備が整ったら、売り込みすぎないように気をつけながら、商品を少しずつアピールしていきます。
具体的には、次のような情報を載せます。
- 特徴
- スペック(性能や仕様)
- メリット
- ベネフィット(恩恵や便益)
- 料金
これらはどれも大事な情報ですが、特に重要なのがベネフィット。サービスや商品によって、どんな恩恵を受けられるのかを、しっかりと伝えるようにします。
メリットと混同しがちですが、ベネフィットは商品やサービスによって最終的に得られる前向きな変化や、価値のある結果(成果)のことです。一方メリットとは、商品やサービスによって直接的に得られる利益のことを指します。
例えば家事代行サービスであれば、家事を依頼することで時間を節約できるのがメリット。その結果、気持ちに余裕ができて仕事のパフォーマンスが上がったり、家族との関係性が良くなったりするのがベネフィットにあたります。
プログラミングスクールであれば、ソフトやアプリの開発に必要な技術が身につくというメリットがあり、エンジニア向けの採用選考で有利にはたらくというベネフィットが期待できます。
商品の特徴やメリットだけでなくベネフィットも忘れず盛り込むことで、ユーザーの感情に訴えかける、より魅力的なコンテンツに仕上げることが可能になります。
ベネフィットの例(セラピスト養成スクール)
引用:http://www.ibsa-baliryugaku.com/
商品の良さやメリットは簡潔に、説得力を持って伝える
商品情報を載せるときは、なるべく簡潔にまとめ、理解しやすいようにデザインや構成を工夫しましょう。「選ばれる3つの理由」「4つのメソッド」といった具合に、項目を3~4つに絞り、内容を端的に伝えられると良いと思います。あまりにも長いとせっかく興味をもってくれたユーザーが読む気を無くし、離脱してしまう可能性があるので注意が必要です。
引用:https://www.pgcd.jp/promotion/scalpcare/trial/09/
また、「良いですよ」「お勧めですよ」とただアピールするのではなく、なぜ良いのか、なぜ勧めるのかといった根拠や信頼につながる情報も合わせて提示するようにします。
引用:https://www.pgcd.jp/promotion/scalpcare/trial/09/
ユーザーは商品情報を確認しながら、商品が自分にとって必要かどうか、お金を出して買う価値があるかどうかを見定めようとしています。ただ、じっくり読み込んでいるわけではなく、基本的なスタンスは、書かれていること全てを鵜呑みにするのではなく、情報ひとつひとつに対して懐疑的です。
どんなに魅力的な商品でも、書かれている内容を信じてもらえなければ、ユーザーの購入動機は高まりません。安心感や信用につながる情報を丁寧に集め、ボディコピーに盛り込むようにしましょう。
お客様の声やQ&Aで不安や疑問をしっかり払拭する
これまで次のような順番でボディコピーをつくってきました。
ランディングページにおけるボディコピーの作成ステップ(1~3)
ここまで読み進めてくれているユーザーは、商品の購入を前向きに検討している可能性が高いと考えられます。
購入を前向きに検討し始めると、様々な不安や疑問が頭に浮かんでくるようになります。そこで、ユーザーの気持ちが冷めてしまわないように、それらのモヤモヤを解消する必要があります。
お客様の声を掲載して安心感を与える
購入を検討し始めたユーザーは、失敗したくないという思いから不安を抱えたり、迷って落ち着かない気持ちになったりします。そこでまずは、実際に商品を購入したお客様の声を掲載することで、購入の不安を和らげます。
人は自分と同じような悩みや問題を抱えている人の体験に共感したり、その発言に安心したりするので、お客様の声にはできるだけ幅広い世代や性別の人、様々な悩みや問題を抱えた人を掲載するようにしましょう。
引用:https://taishoku.to-next.jp/otoko/
お客様の声を掲載することは、説得力を高めることにも繋がります。というのも、これまで掲載してきた内容はすべて、売り手側の視点で語られてきたからです。お客様の声は客観的な視点で語られるため、読み手にとって信用できる情報になります。
さらにお客様の声のなかに、購入・使用した人にしか分からないようなメリットやベネフィットが含まれているとより効果的です。
例えばカーシェアリングサービスで、お客様の声のなかに以下のようなコメントがあった場合。
- 「1年以上利用しているけど、前の利用者が汚くしてて不快な思いをしたというようなことは一度もありません」
- 「もっと複雑かと思ったけど、ネットで予約してカードをかざしてすぐに使えるから、本当に重宝しています」
- 「急に雨が降ってきたときに彼女を車で迎えにいったり、暇なときに車の中で一緒に時間をつぶしたりしてます。15分単位で借りられるから便利です!」
これらの情報は、現実的に検討しているユーザーにとって有益です。なぜなら、実際に使った人でないと分からないことも多く、購入前のユーザーには気づかないことだったり、意外な価値につながったりするからです。
Q&Aを掲載して丁寧に疑問を解消する
ボディコピーの最後は、「よくある質問」と題したQ&A形式のコンテンツを用意することで、ユーザーの疑問を丁寧に解消していきます。動機が高まっているユーザーを購入までしっかり導けるランディングページは、このQ&Aが充実しています。
質問の数は、3~8個ぐらいにまとめることをお勧めします。少なすぎると物足りない印象を与えますが、多すぎると読んでもらえない可能性が高くなります。
ユーザーの離脱を防ぐために疑問を解消することが目的なので、疑問が生まれやすい商品やサービスの場合は、自然に数が多くなると思います。
引用:https://kaitorimakxas.com/shinagawa-lp/
これでボディコピーは完成です。
ランディングページにおけるボディコピーの作成ステップ(全体像)
ボディコピーのよくある失敗例1. 冒頭から売り込みすぎている
ランディングページの中には、冒頭からSALE情報やメリット、ベネフィットを全面に押し出しているものが多くあります。魅力的な情報はユーザーの興味を喚起しますが、度が過ぎると逆効果になることは覚えておきましょう。
初めから買う気満々であれば、わざわざランディングページの内容を読もうとはしません。ファーストビューの段階で申し込みボタンや問い合わせボタンを押して早々に行動しているはずです。
ボディコピーまで画面をスクロールして進んでいるということは、主な目的は購入ではなく情報収集です。そこでまずは、ユーザーが知りたい情報を押しつけにならないように配慮しながら、丁寧に提供していく必要があります。
購入動機が高まっている人を対象とした、見込客の刈り取りを目的としているランディングページも中にはありますが、よほど知名度が高く、TVCMなど他の手段でも広告展開をしっかり行っているような商品に限られます。
認知度が低い商品ほど、丁寧にユーザーとの距離をつめていく必要があるので、広告の3原則「読まない」「信じない」「行動しない」を頭の片隅に置きながら、ランディングページの構成を考えるようにしましょう。
ボディコピーのよくある失敗例2. 興味喚起を忘れている
人の興味はそう長くは続きません。広告を読んでいるのであれば、尚更です。
しかも今はスマートフォンをつかってせわしなく複数のアプリを使いこなす時代。気が散る要因はそこらじゅうにあり、縦に長いランディングページにずっと集中してもらうのは基本的に難しいと考えたほうがいいでしょう。
このことを忘れて興味喚起を怠っているランディングページがとても多くあります。
延々と続く商品紹介を誰が読みたいと思ってくれるでしょうか。気合の入った長文のランディングページを、辛抱強く読み込んでくれる人は10人中どれくらいの割合でいるのでしょう。
良く出来ているボディコピーは、必要最小限の情報を、十分な余白と見やすいデザインで効果的に配置しています。ところどころに興味をそそる内容をちりばめ、購入を上手く促しています。
繰り返しになりますが、ボディコピーの目的は、ユーザーに商品の良さやメリットを信じてもらうことにあります。
商品を売り込むことなく知ってもらい、興味をもってもらい、気持ちよく購入を検討してもらう。その状態を実現するためには、ボディコピーを読んでいるユーザーの体験が心地よくなるように配慮しながらコンテンツをつくっていく必要があるのです。
最終回の記事では、クロージングコピーの作り方について詳しく説明します。>>>外さないランディングページの構成とは?セオリーと失敗例(最終回)